病院の顔である「受付」

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受付・会計・案内

「病院の顔」といっても良い、受付窓口の仕事は、病院の印象を左右する大事な仕事です。

①受付業務の心がけ

患者が来院し、受付窓口で最初に接するのも、病院を出る際に会計をしてお見送りするのも受付で働く医療事務スタッフです。いってみれば病院やクリニックの“顔”といえる存在です。
体の不調を抱えて来院した患者は何かと不安なもの。ですから、スタッフのちょっとした心遣いや笑顔で安心できるのです。
もちろん、患者を待たせずテキパキと仕事を行なうことは大切ですが、事務的になりすぎて笑顔や気配りを忘れないように気をつけてください。「いい病院だな」と安心感を与えてあげたいものですね。

患者にとって受付は「病院の顔」「笑顔」と「気配り」が大切!

②業務円滑化のために

受付や会計だけでなく、医師や看護師をサポートすることも医療事務スタッフの重要な役目です。
「診療はまだ?」、「費用は?」など、患者からの質問に対して内容をよく聞き、診療行為に関係がなければ上手に説得し、医師や看護師が診療行為に専念できるようにすることも必要です。
また、受付は患者さんの待合室と近く、具合が急変した患者さんが相談に来たり、緊急の患者さんが訪れることもあります。そんな時、すみやかに医師や看護師に伝えるなど、機転をきかせることも大切です。
医師や看護師に信頼されるような、機転や気配りができる能力も求められているのです。

医療事務は医師や看護師を支えている重要なポジション。

③初診受付の流れ

初めて訪れる病院や、かかりつけでもしばらく診察していない場合、その患者は「初診」という扱いになります。
初診患者を受付する場合、問診票の記入や保険証を確認したり、カルテがない患者であれば情報を入力しカルテと診察券を作ったりすることも医療事務スタッフの仕事です。
入力のしかたは、手書きのところもあればコンピューターで管理しているところなど、医療機関によってさまざまなので実際に働いてから覚えれば大丈夫です。

受付業務は現場で覚えていけば大丈夫!

④保険証の取り扱い

初めて来院する病院では、受付で必ず保険証の提示を求めます。
医療事務スタッフは預かった保険証から、保険の種類、記号、番号、氏名、性別、生年月日といった基本情報を確認し患者のデータとして保管します。
患者は加入している保険によって医療費の負担額が変わります(「さまざまな種類がある医療保障制度」を参照)。医療機関は診療報酬の請求先が変わるので、保険証を確認することは患者と医療機関の双方にとって重要なことです。
確認する基本的な情報はどこの医療機関でも同じですから、間違えずに確認することが大切です。

間違えずに確認するのが大切!

⑤診察券・カルテ・外来指示票

最近は、患者さんの情報をコンピューターに入力すれば、診察券が自動で作成される場合がほとんどです。問診票などを元に、患者さんの氏名、読み仮名、生年月日、住所、連絡先などを入力すると、作成できるようになっています。
診察券は、磁気ストライプつきのプラスチック製カードです。磁気部分に診察券番号が記録され、診察状況などが照合できます。また、ICチップを採用している場合、より多くの情報が保存できます。とはいえ、小さな診療所では紙の診察券を使う場合も多いものです。
あらかじめ病院名などが印字されたカードサイズの診察券に、患者さんの名前や診察券番号などを記入します。
次に、カルテの作成方法。カルテは医師が診察内容を記入するものです。これも紙やデータなどさまざまです。紙の場合、医師が診察内容などを書き込み、医療事務スタッフがコンピューターに入力します。入力後、自動的に会計窓口で診療費が計算されるしくみです。
大きな病院では、コンピューターの画面上で医師が直接データを入力できる、「電子カルテ」が導入されています。
診察券、カルテとともに重要な書類が外来指示票です。診療行為の請求金額は、コンピューターで自動的に計算されますが、請求書を作るために診療行為を外来指示票にまとめる必要があるのです。これは診療行為をチェックする大切なもので、コンピューターで作る場合がほとんどです。
診察券、カルテ、外来指示票など必要な書類が揃ったら、受付順に各科へ渡します。電子カルテの場合はデータで送ることもありますが、患者さんにこれらの書類を診察室に持って行ってもらう場合もあります。

最初に作る書類は、診察券、カルテ、外来指示票の3つ!

⑥受診科への案内

受付で、診察の順番が来た患者さんにアナウンスすることも医療事務スタッフの仕事です。アナウンスの方法は、大きく分けて2種類です。ひとつは、銀行や役所などのように、電光掲示板で患者の番号を表示し、スピーカーでアナウンスするパターン。
もうひとつは、「●▲さん、●番の診察室へどうぞ」と、受付で順番が来た患者さんの名前を呼び直接案内するパターンです。町のクリニックや診療所では、比較的後者のパターンが多いことは、何となくイメージできると思います。
病院の規模が大きく、複数の診療科がある場合は、「●●科はどう行けば?」と質問されることがあります。そんな時、相手の体調などを考慮して、階段ではなくエスカレーターで行く方法を案内するなど、さりげない気配りをすることも受付の大事な業務のひとつです。

アナウンスの方法は大きく分けて2種類!

⑦会計

会計業務は、正確さと迅速性が求められます。患者の人数が多い大きな病院では、電光掲示板などで会計の順番を一度にまとめて表示することがあります。これは、医療事務スタッフが計算処理を終えた順番で、何人かずつまとめて清算しているのです。
診療費用は、診療報酬点数票を元に医療費を計算し、患者さんに自己負担分を支払ってもらいます。計算といっても診療内容をコンピューターに入力すれば自動で算定してくれます。
電子化が進む病院では、医師が診療内容などをコンピューターに入力すると、診療費が瞬時に計算され会計窓口に反映されるようです。とはいえ、入力を間違えれば誤った金額を請求することになるので、医療事務スタッフの確認が必要なのです。

会計業務は正確さと迅速さが大切!

⑧再診時の対応

通院が必要な場合など、2回目以降に来院した患者さんは「再診」という扱いになります。再診の場合すでに患者さんのデータがあるので、診察券を預かりカルテなどの必要な書類を準備します。また、大きな医療機関では、診察券を機械に入れるだけで、自動的に受付処理が行なわれるシステムを導入しているケースもあります。
診察の案内などは、初診の患者さんと同じように行なえば大丈夫です。ただし、初診と再診では医療費が大きく変わるので、会計入力の際によく注意することも必要です。

再診時は患者のカルテなど書類を準備する

⑨処方箋

医療事務スタッフは、医師から患者に薬を出すように指示があった場合、処方せんを発行します。医院内で薬が用意され、会計時に患者が薬を受け取るのが院内処方です。処方せんには服用法と有効期限があるため、それらを伝えることも必要です。
最近は医薬分業化が進み、院外処方せんを発行する医療機関が増えています。会計窓口で処方せんを渡し、患者さんは院外の調剤薬局で薬を処方してもらいます。
院外処方の場合、会計窓口では、患者さんの名前と処方せんが合っているか確認することが重要です。近くの調剤薬局を案内することもあります。

院外処方と院内処方で対応も違う

⑩カルテは超重要書類。扱いは慎重に!

カルテなど受付窓口で扱う書類は、個人情報が記載されているため、管理や取り扱いはとくに慎重に行ないます。また、必要な時にすぐに取り出せるよう、日頃から整理しておくことも医療事務スタッフの重要な仕事です。
整理する方法は、患者番号、アイウエオ順、現在通院中の患者さんと長い間通院していない患者さんを分けて管理するなど、医療機関よってさまざまですので、先輩スタッフの指示に従いましょう。
なお、カルテの保存期間は法律で5年間と定められています。規模の大きな病院ではその数も膨大なため電子カルテを導入し、専門に管理するスタッフを配置している場合もあります。

カルテの整理と管理が業務の効率化につながる

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